268: 本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:00:48.42 ID:x83Y3WRH0 昨日の>>193からの続きです E介が帰ってきた日の夜、俺が自分の部屋で寝転がってメールしていると、一瞬 「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」 というあの声が聞こえた気がした。 びっくりして起き上がりカーテンを開けて外を見たりしたが、いつもの景色で何も無い、 俺は「気のせいかな?」と起き上がったついでに1階に飲み物を取りに行くことにした。 俺の家はL字型になっていて、自室は車庫の上に乗っかるような形になっている。 冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出し2階へ上がると、丁度階段を上がったところの窓の カーテンの隙間から僅かに自室の屋根の部分が少し見えた、すると屋根の上に 何かがいる… この前あんな事があったばかりなだけに、ビビりまくった俺が窓からカーテンを少し開けて 外の様子をのぞくと、屋根の上に和服を着た子供が両手を膝の上にそろえて正座しているのが見えた。 それだけでもかなり異様な光景なのだがそれだけではなかった。 子供は体を少し前かがみにして下を覗きこむような姿勢なのだが、首のあるはずの部分から 細長い真っ直ぐの棒のようなものが1mほどのびていて、その先にある頭が俺の部屋の 窓を覗き込んでいた。 269: 本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:01:37.39 ID:x83Y3WRH0 「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」 という声も窓越しにわずかに聞こえてくる。 俺はあまりの出来事に声も出せず、そのまま後ずさりすると1階へ下りた。 寝ている親を起そうかとも思ったが、これで起してあれがもういなかったらそれこそ 恥ずかしい… その時なぜかそう思った俺は、そのまま1階のリビングで徹夜した。 たしか朝4時過ぎまで「ホホホ…」という声は聞こえていたと思う。 翌朝、恐る恐る部屋に戻ってみたがあれはいなくなっており、室内にも特に変わった 部分は無かった。 その日の昼頃、自宅の電話に顧問の先生から電話があった。 この前の件で話があるからすぐに来いという。 昨晩のこともあった俺は、嫌な予感がして大急ぎで学校へと向かう事にした。 270: 本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:02:19.49 ID:x83Y3WRH0 学校へ到着すると、生徒会などで使っている会議室に呼ばれた。 会議室に入ると、A也、B太、それにC広とD幸までいる、更にうちの学校とC広たちの 学校の顧問の先生たち、それと見た事の無いおじさんたちも数人いた。 まず顧問の先生のうち1人が話し始めた。 要約すると、E介にまた同じ症状だでたらしく、とある場所に運ばれたらしい、そして、 俺達に「昨夜おかしな事はなかったか?」と聞いてきた。 俺はすぐさま「昨夜のあれ」を思い出し、 「あのー、深夜になんか変なのが俺の部屋を覗き込んでるのが見えて…」 と事情を話した。 A也、B太、C広、D幸には特に異常はなかったらしい。 するとC広が 「そういやお前(俺)さ、あの家の中で階段の上眺めながらボーっとしてたよな?あれ関係あるんじゃないか?」 と言い出した。 271: 本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:02:59.21 ID:x83Y3WRH0 そういえば… 俺はあのときの事を思い出し、皆に「あの時さ、変な笑い声みたいなのと、 なんか子供の姿見たよな?」と聞いてみた。 しかしみんなは、声はずっと聞こえていたけど子供の姿は最初のドアのところで 見ただけで、家の中では見ていないという。 俺達がそんなやり取りをしていると、さっきまで黙っていたおじさんが事件の詳細を話し始めた。 非常に長い話だったので要約すると。 俺達がであったのは、「ひょうせ」と呼ばれるものらしい。 これはあの土地特有の妖怪のようなもので、滅多に姿を見せないが、稀に妊婦や不妊の家の 屋根に現れて笑い声をあげるらしい、そうすると妊婦は安産し不妊の夫婦には 子供が産まれるという、非常に縁起の良いものだそうな。 ただし、理由は全く解らないが、数十年に一度なぜか子供を襲い憑り殺してしまうという厄介な存在でもあった。 ちなみにあの家は全くいわくも何もなく、ただ「ひょうせ」が偶然現れただけの場所なのだが、 「ひょうせ」が子供を憑り殺そうとした場合、それに対する対抗策があり、 「ひょうせ」が最初に現れた場所に結界を作り封じ込め、簡易的な祠をつくって奉ることで 殺されるのを防ぐ事ができるらしい。 合宿所から帰る直前、俺達が見たのはその封じ込め作業だったわけだ。 272: 本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:03:29.67 ID:x83Y3WRH0 おじさんは続けて。 ただ今回は何かおかしいのだという。 普通祠をつくって奉ればそれで終るはずなのだが、今回はどういうわけだが逃げられてしまって E介がまた被害に会い、しかも俺のところにまで現れている。 それに、そもそも現れるだけでも珍しい「ひょうせ」が自分達の村とその周辺以外に 現れるというのも全く前例がないうえに、「ひょうせ」が前回子供を襲ったのは20年ほど前で 「早すぎる」のだそうな。 ただ、おかしいおかしいといっても現実に起きてしまっているのだから仕方が無い。 俺達は学校で村から来たお坊さんに簡易的な祈祷をしてもらい、 お札を貰って君たちはこれで大丈夫だろう、と言われ帰された。 ちなみにE介に関しては、暫らくお寺で預かって様子を見て、その間にもう一度祠を建てて 「ひょうせ」を奉ってみるとの事だった。 学校から帰された俺達は、各々迎えに来ていた親に連れられて帰る予定だったのだが、 話し合ってひとまず学校から一番近い俺の家に全員で泊まることにした。 安全と言われていてもやはり不安だし、全員でいたほうが少しは心細く無いと思ったからだった。 その夜、俺達が部屋でゲームしていると コン…コン…コン…コン… と窓を規則的に叩く音がした。 273: 本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:04:40.52 ID:x83Y3WRH0 さっき説明した通り、俺の部屋は車庫の上にあり壁もほぼ垂直なので、 よじ登って窓を叩くなどまずできない。 しかも、その窓は昨晩例の子供が覗き込んでいた窓だ… 状況が状況だけに全員が顔をこわばらせていると、B太が強がって 「なんだよ、流石に誰かの悪戯か風のせいだろ?」 とカーテンを開けようとした。 俺は大慌てでB太に事情を話しカーテンをあけるのを踏みとどまらせた。 窓を叩く音はまだ続いている。 D幸が 「やっぱ正体確認したほうがよくね?解らないままのほうが余計こえーよ…」 と言ってきた。 たしかに何かその通りな気がした、なんだか解らないものが一晩中窓を叩いている 状況なんてとても耐えられそうに無い。 俺達は階段のところまで移動し、カーテンを少し開けて隙間から俺の部屋を見てみた。 いた… 昨日のあれが、やはり昨日と同じように首をらしき棒を伸ばし、窓から俺の部屋を 覗き込んでいる。そして、時々 274: 本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:05:45.22 ID:x83Y3WRH0 コン…コン… と頭を窓にぶつけている。 「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」 という例の抑揚の無い笑い声のようなものも聞こえてきた。 音の正体はこれだった。 異様な光景だった、そして、昨日は気付かなかったが、あれは子供と言うより和服を来た人形のようだった。 頭が窓にぶつかる音も、人間の頭と言うより中身が空洞の人形のような音だ。 C広が 「ひょうせって今日もう一度封じ込めたんじゃねーのかよ…」 と呟いた。 その時、俺の親父が騒ぎに気付いて 「お前ら何やってるんだ?」 と階段を上がってきた。 その時、その声にびっくりしたA也が思わず腕を窓にぶつけて ドン! と大きな音を立ててしまった。 278: 本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:25:44.15 ID:x83Y3WRH0 "それ”の棒の先にある頭だけがカクンッという感じでこっちを向いた。 俺達は顔をはっきりと見た。 "それ”はおかっぱ頭で笑顔の人形だった。 ただし、ただの人形ではない。 顔は人形特有の真っ白な肌なのだが、笑顔のはずの目は中身が真っ黒で目玉らしきものが見えない、 口も同じで、唇らしきものもなくそこにはやはりぽっかりと真っ暗な三日月状の穴のようなものがある。 それでも、目や口の曲線で「にっこり」と言う感じの笑顔なのが解るのが余計に不気味だった。 親父が 「だからお前ら何やってるんだ?」 と窓のところに来てカーテンを全開にすると、それはサッ!と屋根の影に 隠れて見えなくなった。 が、親父にも一瞬「何かがそこにいた」のは解ったらしい。 親父は大慌てで1階に降りると、携帯でどこかに電話をし始めた。 どうやら昼間祈祷をしてくれたおぼうさんやおじさん達の連絡先を聞いていたらしく、 そこと顧問の先生のところに電話しているらしい。 その後、影に隠れたきり"それ”は二度と姿を現さなかった。 279: 本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:26:15.67 ID:x83Y3WRH0 朝になり、昨日のおじさんたちや顧問の先生などが俺の家に来た。 とりあえず異常事態ということで、全員を合宿所近くにあるお寺まで連れて行くという。 みんなの親たちも俺の家に来たのだが、おじさんが 「被害が更に拡大するといけないから親御さんは来ないほうがいい」と言うことで、 行くのは俺達だけになった。 俺達は着の身着のまま車に乗せられ出発した。 昼前にお寺に到着した。 お寺に入ると、ジャージ姿でゲッソリとした感じのE介が俺達を出迎えた。 E介によると、あれから色々あったがなんとか今のところは助かっているらしい。 本堂に入ると、お坊さんと昨日のおじさんが昨晩の出来事を詳しく教えてほしいと言ってきた。 俺達が順番に状況を話していると、人形の姿の説明のところでおじさんが 「ちょと待った、人形?首が長い?何の話をしているんだ?」 と驚いた顔で言ってきた。 そして、俺達が昨日みた人形の姿を改めて説明すると、お坊さんと 「いや、これはひょうせじゃないぞ、どうなってるんだ?」 「おかしいとおもったんだ、色々辻褄が合わない」 と、2人で話し合い始めた。